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パスカル・ロジェ
特別インタビュー
2017年1月15日(日)に高崎シティギャラリーでピアノ・リサイタルを行う、フランス出身のピアニスト、パスカル・ロジェさん。
高崎公演に先駆けて、インタビューに答えていただきました。
 

―数多く来日されているかと思いますが日本の印象はいかがでしょうか。来日中に楽しみにしていることはありますか?
私は日本が大好きです!日本が好きすぎて、日本人の女性と結婚したほどです。日本食も大好きです。“デパ地下”はきれいな料理がたくさんあって買い物が楽しいですね。最近は温泉も行きます。京都で寺院や庭園も訪ねるのも好きです。もちろん、日本の人々も素晴らしいです。親しみやすく、礼儀正しい。日本はアーティストにとっては楽園だと思います。最高のコンサートホールがあり組織も素晴らしい。私にとっては世界の中でも最高の聴衆です。気配りが出来、慎み深く、それでいてとても熱心です。間違いなく、日本は私の大好きな国です。

  

―ロジェさんの音楽はとても美しく聴衆の心を揺さぶります。演奏するときに心がけていることなどはありますか?

私は常に演奏する音楽の美しさや、作曲家が曲に込めた想いを伝えようと心がけています。お客さんにはリラックスして、ゆったりとした、夢見るような雰囲気の中で音楽を感じてもらえればと思っています。そしてコンサートが終わったあとも私の音楽が長いこと心に残っていてくれると嬉しいです。


―高崎でのコンサートは初となります。初めてロジェさんの音楽を聴く人にどんなところを聴いてもらいたいと思いますか?今回のリサイタルのプログラムの聞きどころを教えてください。
 

私のリサイタルのプログラムほとんどについて言えることですが、今回のプログラムも、ピアノ・リサイタルというよりは、フランス音楽の彩り豊かな世界への旅へ皆様をお連れしたいと思っています。だから、私はよく聴衆に曲間で拍手をしないようお願いするのです。ひとつの曲が雰囲気を壊すことなく、次の曲へとつながっていくことが理想です。お客さんは「今の曲何だった?」「作曲家は誰だっけ?」といったことを考えずに、音楽の印象、イメージを受け取ることができます。

 

―ロジェさんはジュリアス・カッチェンに師事されていました。どのような影響を受けましたか?また、他に影響を受けた音楽家はいますか?

ジュリアス・カッチェンからは音楽の解釈について多大な影響を受けました。音楽作品の構造を示し、作曲家のスタイルや個性を尊重しながら自分自身の考えをどのように伝えるかを教えてくれました。また、カッチェンはピアニストとしてだけでなく、人間としても素晴らしい人でした。音楽以外のことに目を向けさせ、ピアノに集中するだけでなく、哲学、文学、詩などに触れて知識を深めることが、より豊かで人間味のある演奏のためにいかに重要かを教えてくれました。

他にも私はパリで、マルグリット・ロン、リュセット・デカーヴ、ナディア・ブーランジェなど、多くの先生に師事しました。生の演奏を聴いたことはないけれど、グレン・グールドにも大きな刺激を受けました。

 

―2016年はサティの生誕150周年です。日本でのサティ人気はロジェさんも大きく関わっていると思いますが、サティに対して特別な思いはありますか?

サティはユニークな作曲家でドビュッシー、ラヴェル、フランス6人組(プーランク、オネゲル、タイユフェール、ミヨー、オーリック)のメンバーに大きな影響を与えました。ちょっとした音楽界の異端児です。当時、フランスの時代の変わり目において、ワーグナーなどドイツロマン派の影響を受けていない、おそらく唯一の作曲家です。印象主義とも共通するところはありません。しかし彼のメロディーラインやハーモニーのシンプルさ、一風変わったリズムやユーモアある作風は、後の20世紀のアヴァンギャルド(前衛芸術)に大きな意味をもたらしました。私は心底サティに惚れ込んでいます。それは音楽だけでなく、性格や人間性も含めてです。

 

―今年11月にドビュッシーと葛飾北斎がコラボレーションしたコンサートを行いました。こちらのコンサートはいかがでしたか?また、ロジェさん自身は日本の文化、芸術についてどのように感じていますか?

素晴らしいコンサートでした。私は常々リサイタルに視覚的効果を加えることに興味を持っています。ドビュッシーは実に革新的でした。彼は次々に新しいハーモニーや流行、色彩を生み出し、音楽界を一変させてしまいました。彼は“印象主義”の作曲家と呼ばれることを好みませんでしたが、彼の音楽が“視覚的”であるという意味では非常に印象主義的と言えます。彼の音楽は目に見え、触れられ、時に匂いさえ感じることもあります。ドビュッシーと親しかったというモネやピサロの絵画などよりも、ドビュッシーが交響詩「海」の楽譜の表紙に、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を使用したことのほうが私の好奇心を駆りたてます。このプロジェクトのお陰で私は北齋の浮世絵についてより深く学ぶことが出来ました。ドビュッシー自身のコメントはほとんど残っていませんが、北齋の細かい描写や緻密さは、実際ドビュッシーの曲の書き方にかなり近かったと確信しています。彼の音楽は“ぼやけている”ように感じたり、また、印象主義的に聞こえるかもしれませんが、実際作曲自体は大変緻密で洗練された細かい要素で埋め尽くされています。そのことは私に日本の文化や芸術を連想させるのです。

 

―音楽以外で楽しみになさっていることがあれば教えてください。

私はAppleマニアです。新しいAppleの製品が出たら必ず買うようにしています。Apple Watchも持っているし、iPad Proを使って演奏することも始めています。これは素晴らしいです!ちょうど、銀座のApple StoreでiPhone7を買ったばかりなんです。iPhone5が発売になったときには、他のAppleファンたちと一緒に開店前の朝5時から並びました。これもまたひとつの経験です。Apple以外で言えば、きっと驚くと思いますが、キティちゃんとミニオンズが大好きなんです。また、動物も大好きです、特に犬と猫が!彼らも私に愛情を示してくれますからね。やはりフランス人ですから、食事やワインも好きですよ。その地方の料理を食べてみるのも楽しいですね。日本食が好きなので、日本にいるときは特に幸せなんです。


―今後の予定を教えてください。

世界中を旅して、フランス音楽を演奏し続けたいです。新しい経験を積み、そして面白く、人生を楽しんでいきたいです。


―最後に高崎の皆さんへメッセージをお願いします。

たくさん日本でツアーをしてきたのですが、高崎でのコンサートは初めてです。皆さんにお会い出来ることを楽しみにしています。ぜひ私のフランス音楽を楽しんでいって下さい。


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